部門紹介臨床研究・治験部門

概要

当センターにはPET/CTのほかPET-MRIが設置されており、被ばくを最小限に抑えた放射性診断薬の研究も行えます。また、国内最大となる附属病院内のRI病棟を活用した放射線治療薬を用いた臨床研究・治験も実施できる体制です。すなわち、当センターでは放射性診断薬・治療薬の同時開発を行えることにより、治療と診断をつなげたいわゆる【セラノスティックス】が開発可能となっています。臨床研究・治験部門では、【セラノスティックス】をはじめ当センター内・外で開発された放射性診断および治療薬を用いた臨床研究・治験の実施および支援を担当しています。

※セラノスティックス:

治療と診断から作られた新しい治療戦略のことです(Theranostics(セラノスティックス) = Therapeutics(治療) + Diagnostics(診断))。特に放射性同位元素を使った場合Radio-theranostics(ラジオセラノスティックス)という場合があります。図1のように治療が効きやすい患者さんを診断薬で選び、その患者さんに治療を行うことにより治療効果を高めるとともに、無駄な治療および治療に伴う苦痛を避けられるという利点があります。さらに図2のように治療効果が診断薬でわかるので、どこまで治療を続ければ良いか(どこで終わりにするか)を決定することができます。

図1

図2

部門の活動内容

新規治療薬の実用化に向けた開発では、ヒトに投与する前の前臨床試験、ヒトに投与する臨床試験・治験に分かれています。臨床研究・治験部門では前臨床試験の段階から臨床サイドからの要望・意見等を伝え、薬剤開発に関わっています。今年度(2021年度)は211At- MABGのPhase I治験(ヒトに初めて投与する治験)、Ga-68 PSMA-11 PETのPhase I,II治験に向けたPMDAとの対応等の活動を行っています。