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ホームステイ型研修
■目的
  1. 研修医等が住民の一人として生活体験し、住民との「白衣を脱いだ」密接な交流を通じて地域生活に対する深い理解と地域医療への住民の生の声を理解させる。
  2. 地域に暮らす医療人としての自らの位置と役割を考え、さらに、その「居住体験」に魅力を感じる契機を提供する。
■実施方法
  1. 大家さん宅へのホームステイ(民泊)
■対象者と実施期間
  1. 医学部6年生
    ●BSLアドバンストコースの2週間又は4週間
    ●4月中旬〜7月中旬の3か月間で実施する。
  2. 卒後研修医(初期研修医)
    ●研修開始2年目の地域保健・医療での1か月+選択科目での1〜2か月
  3. 後期研修医(家庭医療学専門医コース)
    ●研修期間のうち3〜6か月

 ※ ホームステイか否かは原則選択制とする。


■実績
    平成17年度
    ・臨床研修医:3名(只見町朝日診療所:3名)

    平成18年度
    ・医学部6年生:延べ12名(実人数:10名)
      (南会津病院:3名、宮下病院・金山町診療所:4名、只見町朝日診療所:5名)
    ・臨床研修医:6名(只見町朝日診療所:6名)

    平成19年度
    ・医学部6年生:延べ17名(実人数:16名)
     (南会津病院:5名、宮下病院・金山町診療所:6名、町立三春病院:2名、町立猪苗代病院:1名、
      磐梯町保健医療福祉センター:1名、田村市立都路診療所:2名)
    ・臨床研修医:4名(宮下病院:3名、南会津保健福祉事務所:1名)

 ◎協力いただいた大家さん世帯数(17年度〜19年度)
    田村市(都路町)   2世帯
    三春町          1世帯
    磐梯町          1世帯
    猪苗代町        1世帯
    三島町          5世帯
    金山町         1世帯
    南会津町        5世帯
    只見町         14世帯
           合計   30世帯
           
■研修医・医学部生の感想

山下 裕子

平成16年度
臨床研修医
ホームステイ型医学教育研修プログラムを経験して

 朝日診療所での仕事は、驚くようなことは何もありません。
どこでも行われている医療を同じように提供し、ここで出来ないことは他の施設を紹介します。むしろ、完成したばかりの美しく機能的な建物にCTや内視鏡を備え、幅広い疾患の方が受診され入院する、診療所としては破格の機能を果たしていると思いました。
 ただ大きく違うのは、八巻先生をはじめスタッフの方々が、この方は一人暮らしで家は遠く、寒くて雪かきも大変で・・・といった背景をよく把握していて(というよりご近所さんだったりして)薬は多めに出して、具合が悪いなら入院、といった判断をされることです。患者さんを自分の家族だと思って、とはよく言われますが、本当にそんな思いやりを感じました。
 ホームステイ先のお宅には3人のお嬢さんがいて、高校3年生の元気なミナコちゃんと、
私より2つ年下のカヨさんが一緒に住んでいました。御夫婦は娘が一人増えたようだと言ってくださり、休日にはみんなで出かけておいしいものを食べたり、夜は晩酌しながら映画を見たり、家族っていいもんだな、と思いました。これもご縁だから、といってくださって、夏の只見に遊びに行く約束をしています。只見でお世話になった皆様に、とても感謝しています。どうもありがとうございました。
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緑川 大介


平成18年度
医学部卒業生
ホームステイ型地域医療実習に参加して

 『私は今回、全国に先駆けて福島医大が取り組んでいるホームステイ型地域医療実習に1期生として参加させて頂きました。       
5月半ばから6月半ばまでの1ヶ月を各2週間ずつ奥会津の三島町にある県立宮下病院と4町村が合併したばかりの南会津町にある県立南会津病院で実習してきました。と同時に、それぞれの期間を金山町の二人暮らしの御家族と南会津町の7人家族の方々のもとで寝食を伴にさせて頂きました。                    
今までは地域医療、僻地医療に興味はあったものの、あくまでそれらに対する理解は表面的なものにすぎませんでした。そこで地域に足を運び、そしてそこで生活することで地域医療を直接肌で感じて沢山のことを学び、吸収できる、しかもそれを大学と県がバックアップしてくださるこんな絶好のチャンスはなかなかないと思い参加させていただきました。
都合上実習で学んだ1%にも満たない内容しか書けないのが残念です。                   
私は患者さんを含む地域住民との交流の場をホームステイ先や町役場の方々にとにかくたくさん提供していただきました。                   
病院実習がおわった休みの日には、わずか50人あまりの生徒と地域住民が一体化した小学校の運動会や山菜採り、ゼンマイ揉み(これで腕や肩を痛めて外来に来る患者さんが多いので実際やらせていただきました)、温泉での地域住民との交流、過疎地の診療所ツアー、往診、老健施設、保健センター訪問、子育て支援教室、消防署実習、救急隊の方々との交流、町長さんとの面談、高校の先生との交流会、地域探索、ウォーキング大会にスタッフとして参加、そして町役場やホームステイ先の御近所の方々との食事会などなどあげたらきりがありません!そのどれもが新鮮で学びそのものでした。                   
病院実習においても、隣り町から2時間かけて病院にくる患者さんや心不全で安静が必要なのに1時間もかけて徒歩で診察に来る患者さんがいたり、入院患者さんが少ないなと思えば田植えと稲刈りの季節はたとえ具合が悪くても我慢する患者さん達が多いんだと聞かされたり、蜂にさされたり蛇にかまれた既往のある方々がいたり、熊にやられた傷跡を自慢する患者さんがいたり、お酒好きな患者さんが多かったりと地域性を顕著に経験できました。                    
地域と地域住民と触れ合う中で、心に残った町の人々の言葉があります。
『高齢化と聞くと人はすぐにネガティブに考えがちですが、これだけお年寄りが長生きできるのは、この地域で町の人々の健康のために尽力されている信頼できる医師がいるからですよ。 地域住民の生活を丸ごと理解することはできなくても理解する努力を惜しまない医師になってくださいね』と。
この言葉をきいて、医師としての技量を試すには絶好の場だと思いました。       
高齢化率が日本の2.5倍もある約50%の町ではありましたが古き良き日本がそこにはたくさんあり、生きる力や人々の支え合いの精神、そして人情を直接肌で感じとることができました。                   
それらは患者さんに関わる医療者になる者として一生大切にしなければいけないものだと思うと同時に、自分が実践したい理想の医療を地域に押し付けるのではなく、その地域では今どんな医療が求められているのかを知った上で自分にできることは何なのかを見極める必要があると痛感しました。                    
この実習は、現代の日本社会に生きる私たちが忘れかけていたものや失いつつあるものを取り戻させてくれます。
私はこの実習に参加しなかったら将来の選択肢にもなり得なかったし偏見も持っていたかもしれません。何事にも変えられない経験をしたと断言できますし将来の道しるべになったようにも思います。『百見は一体験に如かず』です。皆さんもぜひ医師に求められる人間性と人間力を身に付けるためにも地域という現場に足を運んでみませんか?』

金山町 地元の方との交流


南会津町 大家さん一家と



金山町 診療所の皆さんと


南会津町 消防署との交流(1)



三島町・宮下病院 職員の方と


南会津町 消防署との交流(2)

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