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【訃報】福島県立医科大学元学長の元木良一名誉教授がご逝去されました。
2020.08.11
福島県立医科大学元学長の元木良一名誉教授が、2020年7月31日(金)にご逝去されました。88歳でした。葬儀は、家族に見守られながら厳かに執り行われました。
元木先生は、昭和31年に東北大学医学部を御卒業後、同大学医学部で研鑽を積まれ、昭和37年10月に福島県立医科大学の外科学第一講座に赴任されました。昭和59年7月に同講座の主任教授に就任後、長年にわたり医学教育と研究に情熱を注がれるとともに、多くの患者さんの治療にあたられました。そして平成8年11月から平成12年11月まで福島県立医科大学長を務められ、本学の発展のため多大なご尽力をいただきました。
診療においては、消化器外科、胸部外科全般にわたり県民に高いレベルの医療を提供しつつ、外科的侵襲時の評価と対策に関する研究を進め、臓器不全、臓器障害のメカニズムの解明と治療法の確立に大きく寄与しました。また、臓器提供及び移植施設の指定を受けるための準備を進め、平成11年9月には全国3例目、東北初の脳死下での臓器提供に対して、福島県立医科大学初の臓器移植手術が実施され、元木先生が中心となり全学的な支援も受け無事成功するに至りました。一方で人工血液の研究にも従事され、内外の高い評価を受けました。これら多くの学会での研究活動が高く評価され、臨床外科医学会総会の会長に推挙され福島市での学術集会を主催されました。
また、学長時代には、平成10年4月に当時国公立大学では初めてとなる医学部と併設の看護学部の設置を実現され、現在の本学における看護教育の礎をつくられました。
学長退任後は、福島県立医科大学名誉教授の称号を授与され、社団法人福島県社会福祉事業団理事、福島原子力懇談会顧問、財団法人福島県医学振興会理事長、財団法人福島県腎臓協会副理事長、財団法人福島県アイバンク理事長、福島県医療審議会委員長を務め、福島県の社会福祉医療において指導的立場をとり、外科医のみならず多くの後身の指導にあたり豊かな人間性と確かな技量を兼ね備えた医師の育成に尽力されました。
このたび、元木先生の訃報に接し、ここに、改めて深く哀悼の意を表します。そして本学のさらなる発展と、優秀な医療人の育成に全力を尽くすことをお誓いすると同時に、本学、医学界、更には福島県への御貢献と御尽力に対し深い感謝の気持ちを捧げます。
公立大学法人福島県立医科大学
理事長 竹之下 誠一