HOME > トピックス記事
福島県立医科大学

【訃報】福島県立医科大学元学長の若狹治毅名誉教授がご逝去されました。

2023.07.25

 福島県立医科大学元学長の若狹治毅名誉教授が、令和5年6月16日(金)にご逝去されました。92歳でした。ご葬儀は、ご家族に見守られながら厳かに執り行われました。

 若狹先生は、昭和30年に東北大学医学部をご卒業され、同大学にて研鑽を積まれた後、昭和39年9月から昭和42年12月まで米国カリフォルニア大学病理学教室に客員助教授として留学し、「悪性リンパ腫」の研究に従事されました。帰国後は東北大学医学部助教授、同附属病院病理部副部長等を経て、昭和54年10月に福島県立医科大学病理学第一講座の教授に就任され、長年にわたり医学教育と研究に情熱を注がれました。そして平成4年11月から平成8年11月まで福島県立医科大学長を務められ、本学の発展のため多大な御尽力をいただきました。

 病理学第一講座においては、悪性リンパ腫のアーカイブや細胞株の作製、電子顕微鏡や免疫組織化学を導入した悪性リンパ腫の診断、単クローン抗体の作製や新規表面マーカーの同定、分子生物学的検討の導入など、様々な方法で日本における悪性リンパ腫の研究を牽引されました。日本の悪性リンパ腫分類(lymphoma study group:LSG分類)の策定に携わり、平成2年第79回日本病理学会総会においては、「Bリンパ腫−組織発生、増殖および進展−」を宿題報告として発表されました。
 また、米国で外科病理学や病理診断部門の運営を目の当たりにされた経験から、病理学における基礎研究と臨床病理診断学の二極化を明確に予見され、昭和63年4月に福島県立医科大学附属病院の中央部門に「病理部」を新設されました。
 病理診断をする上で標本作製の環境を整え、年間160件を超える病理解剖を実施し、多数のCPC(臨床病理検討会)を開催されるなど、若手病理医や臨床検査技師の育成、さらには、多くの臨床医の育成にも多大な貢献をされました。
 教授在任中、学生部長や医学部長も歴任され、学長退任後は福島県立医科大学名誉教授の称号を授与されました。その後も労働福祉事業団 東北労災病院顧問、福島労災病院顧問、東北文化学園大学教授及び医療福祉学部長、学校法人友愛学園理事長を歴任し、多くの医療人の育成に御尽力された御功績により、平成19年に瑞宝中綬章を受章されました。

 このたび、若狹先生の訃報に接し、ここに、改めて深く哀悼の意を表します。そして本学の更なる発展と、優秀な医療人の育成に全力を尽くすことをお誓いすると同時に、本学、医学界、更には福島県への御貢献と御尽力に対し深い感謝の気持ちを捧げます。


                            公立大学法人福島県立医科大学
                                理事長 竹之下 誠一

▲TOPへ