

福島県立医科大学解剖慰霊祭
その尊い御遺体を捧げた故人の徳を偲び、御霊の冥福を祈るため、遺族、来賓を招き、教職員、学生の出席のもとに、毎年秋に解剖慰霊祭を執り行っています。
第73回福島県立医科大学解剖慰霊祭 学長式辞 (令和4年10月26日)


第73回福島県立医科大学解剖慰霊祭を挙行するにあたり、御遺族の皆様、御来賓の各位とともに、教職員、学生一同、謹んで御霊前に哀悼の意を表し、御霊の安らかならんことをお祈り申し上げます。
本日、慰霊のお供えをいたしました御霊は231柱であります。これまで合わせて17,984柱をお慰めしてまいりました。自らの固い御意志、御遺族の方々の深い御理解と御協力のもとに、医学、看護学、保健科学の教育・学術研究、そして医療の発展のために、皆様は、御遺体を解剖に供してくださいました、その崇高な御心に対し、ここに深甚なる敬意と感謝の念を捧げます。
医の道を志す者の学びの第一歩が、人体解剖学です。この実習は、人体の構造や機能を学ばせていただくだけが目的ではありません。ご献体という崇高な行為と想いに触れることにより「生命の尊厳」を強く認識し、「医療を志す者としての使命」を深く考える、医療人として最も厳粛で大切な時間なのです。
自らと自らの大切な人々を病(やまい)から守り、健康に過ごし続けるという願いは、古今東西、医療従事者であるとないとに関わらず、変わりはありません。ご遺体を解剖に供してくださいました皆様は、将来の医療を担う本学の学生たちが、既知の疾患の診断法、治療法を身に付け、さらに未知の疾患を克服し、その成果を広く社会に共有することを願い、より高度な医療の発展を願った方ばかりです。私たちは、その願いに思いを馳せ、そのお気持ちを推し測り、思いやり、医の本来あるべき姿とは何かを、絶えず考え続けなければならないという必然を深く理解します。その気づきがあるからこそ、私たちは、プロフェッショナルとして、今、目の前で病に苦しむ人々の希望となり、人々の輝きを守り、そして病に挑戦する努力を惜しまず、少しでも高みに達するべく、一歩一歩確実に前進することをお誓いできるのです。
私どもは、今後もご献体の意義を十分に理解し、皆様の尊いご遺志に添うよう精進し、優秀な医療人を育成して参ります。そして、医学、看護学、保健科学の発展と、誰も取り残さない医療の実現に向けた、たゆまぬ努力を御霊と御遺族の方々にお誓い申し上げます。
最後に、皆様の御高徳を偲びつつ、その御霊が安らかならんことをお祈りして、式辞といたします。
令和4年10月26日
福島県立医科大学 学長
竹之下 誠一
事務局:教育研修支援課
学生総務係
電話:024-547-1972
FAX:024-547−1984
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