地域のみなさまへ

保健医療交流事業 (講演会) レポート

「健幸(けんこう)なまちづくりへの挑戦」 (楢葉町・平成29年8月7日)

今回は、楢葉町保健福祉会館を会場に開催しました。 講師は、楢葉町からの要望により本学疫学講座の大平哲也主任教授が務め、「健幸なまちづくりへの挑戦」という演題で行いました。

講演は、「楢葉ならではの健幸なまちづくりセミナー」の一環として、楢葉町の現状と今後の課題というテーマに応える形で行われました。
楢葉町は、原発事故の影響により、住民全員が町外への避難を余儀なくされましたが、ちょうど2年前に避難が解除され、現在は震災前の人口の約25%程度が町に戻ってきているとのことです。
大平教授はまず、震災後に避難をしている相双地方の住民を対象として行われた健康調査の結果などを図や資料で示し、環境の激変に伴う、体重の増加や高血圧者の増加、脂質異常者、糖尿病者の推移などを震災の前後を対比させながら解説しました。聴講者ご自身にあてはまる内容もあってか、みなさん感心しきりという感じで聴講していました。

講演の後半は、「人と人とのつながりが住民を健康にする」という内容でした。配膳サービスよりも人との会食、サロンへの参加は介護を予防。人との会話は笑いを誘い、笑うことが脳卒中リスクを低減させ、その幸福感が認知症を減らすと丁寧に説明しました。

最後に「健康寿命を延ばす」には、まず行政が主体となって地域のコミュニティづくりを行い、そのコミュニティに住民が参加することにより、会話や笑いが増え、安定した環境が、さらにこころと身体の健康度を上げると話し、楢葉町だけではなく、相双地方の市町村への提言というべき内容でした。
聴講者は、一般住民のほか、福祉施設、介護事業所、教育関係者、スポーツ関係者や行政関係者など各方面からの参加がありました。

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