* 訓示(東北地方太平洋沖地震の発生にあたって)
(2011.03.22)


3月11日、未曾有の自然災害が東北と関東地方を襲いました。しかも、本学のある福島県の原子力発電所に壊滅的な事故も発生してしまいました。今、現代科学が、原発事故という挑戦を受けています。県民は勿論、国民が真価を問われているのです。

福島県立医科大学は、本県における医学・医療の中心として存在しています。今というこの時、本学に職員、学生、そして関係者として所属しているということは、人生が配ってくれたカードです。カードが悪いと愚痴を言っても始まりません。これは天命です。

事故発生以来、東京電力、自衛隊、消防、警察、自治体の方々が、文字通り、命を懸けて対処しています。私自身、国民の一人としてこの決死的な行動に心から感謝しております。本学の職員、そして関係者も、不眠不休で本学が求められている役割を果たす為に貢献して戴いています。幸い、県と本学の連携は緊密です。この連携は、政府からも称賛されています。この間、全国の多くの組織や国民から献身的な御支援を戴いております。

本学は、今、新たな歴史的使命を負いました。この危機を克服する為の努力を求められているだけではありません。この事故の全てを記録し、次の世代に伝えていく責務も負っているのです。その責務を全うする為に我々に課せられた期待と課題はとてつもなく大きいと感じています。本学の職員や関係者のこれまでの働きぶりは見事の一言に尽きます。皆と共にこの場に居ることを天の配剤と、本学の責任者として心から感謝しています。

我が国の誰も経験したことのない原発事故は、医療人として不安がないと言ったら嘘になります。しかし、本学のスタッフには不安や恐怖を正しい知識と冷静な判断で克服し、決然として前に進む勇気があることを確信しています。「どんなに長くても夜は必ず明ける」、「どんな雲でもその端には光がある」 という先人達の叡知を信じて頑張って下さい。

本学に集う人々が、県民や国民の期待に応えられる知恵と勇気を持っていることは、これまでの行動で示すことができました。これからも本学が原発事故の医療対応のリーダーとして、先頭に立って歩んで行ってくれることを確信しています。

福島県立医科大学 理事長兼学長
菊地 臣一


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