◎医学部学生 |
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普段は大学病院での受け身の医療を学び、それが当たり前の事のように考えていました。しかし、今回のよろず健康相談では、健診に来た住民の方々一人一人に声をかけることから始まり、相談所に来てもらった後も単に問診票を埋めるという作業で終わらず、実際に疑問や不安を一つずつ引き出したり、一緒に解決の糸口を探すなど、実際の大変多くの住民の方々と生きた会話を出来た事は大変な財産です。また、何も整備されていない相談所を一から作り多少なりとも形となったことも、大変な作業ではありましたが、置かれている状況を見つめ直す機会となりました。実際に目で見て、声に耳を傾ける大事さ、大変さを身をもって体験でき、今しか出来ない貴重な時間となりました。
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よろず相談所の必要性を今後さらに充実させる必要があると感じた。放射線の理解が十分でない人もおり、医者だけでなく放射線専門家の必要を感じた。意外と放射線に関係ない相談の方が多く感じた。避難生活で不眠や、運動量の低下(農業を以前やっていた)が身体に変化を及ぼしていることが心配だった。肥満傾向にあることも気がかりであった。家族や近所の方と離れて暮らす人もおり、いつ帰れるか分からないし、帰っても農業が以前のようには出来ないだろうと考え、先が見えない事への不安もみえた。呼び込めば相談する人が増えること、相談したいと思っていたことが受付で席について聞けばみんな話してくれることから、みんな悩みをかかえていることが分かった。もう少し人が多くいれば、各ブースでの医師との相談を見学することが出来たが、事務作業におわれてしまった。自分の問診が正しく行えているか、上の先生がどんな対応するのか、医学生として学びたかった。チェルノブイリ医療支援でベラルーシのブレストに行き、甲状腺がん検診に参加したことがあったのだけど、今回何らかの形で生かせたら良かったが、特にチャンスがなかったのが残念。
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◎初期研修医 |
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被災地の人々と実際に触れ合うという貴重な経験をさせて頂いた。医療面接という点においては、放射線に対する不安の主訴の裏にかくされている不眠や食欲不振といった症状を聞き出し対応することを学んだ。また震災からの経過日数で被災地の人々の心のあり方が変わってくると感じた。今回は1年経過後であり、心の整理がついた人々が多かったと思うが、震災直後や被害の度合いでも変わってくることだと思う。
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災害復興期における、避難者の心理や医療ニーズについて現場ベースでの理解が深まりました。現場のニーズに応えて臨機応変に対応していく先生方の姿を見て勉強になりました。実際の悩みは人それぞれで、放射線の影響の受け止め方も人それぞれですが、よろず相談所で何か相談したいという思いを持った人たちは、その相談を通して少しでも心理的負荷を軽くしたいという願望を持っている(その願望に自覚的または非自覚的に)訳で、そうした願望が生じた背景を推測しながらアプローチしていくことが重要だと実感しました。
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3.11からずっと訪れたかった福島での健康相談のお手伝いということで、“自分も何か役に立てるかもしれない”という期待と、“自分に何ができるのだろう”という不安と半々で福島入りした。1日レクチャーを受けて、放射線について忘れていること、知らないことばかりで不安が大きくなったが、現場に着いて対応していくうちに、いろんな人からいろんな話を聴けることが楽しくなってきた。同じ日本という国で、今一番放射線のことを考えている福島でこのような手伝いができて、改めて震災について考える機会になった。また、研修医としてできることは少ないけれど、話をきいて一緒に考えるという基本的だけど最近できていなかったことを再確認できた4日間だった。このような機会をいただけたことに感謝です。ありがとうございました。
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