患者由来凍結腫瘍組織(F-PDX®)を用いた抗がん剤のin vitro(ex vivo)評価
受託内容
- 患者由来凍結腫瘍組織(F-PDX®)を用いて、化合物の in vitro (ex vivo)アッセイを行います。
- 化合物の細胞増殖阻害活性や細胞傷害性活性を測定いたします。
- 固形腫瘍・造血器腫瘍に対応いたします。(F-PDXのリストはこちらから)
- F-PDXの選択、実験条件(化合物の濃度、化合物の作用時間、アッセイまでの時間等)は企業等のご要望にできる限り応じます。
- 企業等が興味のあるマーカー(遺伝子発現、変異又はHLA型)を確認した上で、試験に用いるF-PDXを選択することが可能です。
- FFPE切片を用いて、免疫染色による標的タンパク質の発現を確認後に、試験に⽤いるF-PDXを選択できます。
- 企業等から調べて欲しい候補化合物を提供していただき、それらを作用させて感受性試験を行います。
- 化合物以外の中分子、抗体、ウイルス液、細胞等のあらゆるモダリティーに対応します。
F-PDX由来固形腫瘍の in vitro 評価系
- 動物モデルで評価する前に、免疫不全マウスで増殖したF-PDXを用いて in vitro でアッセイを行います。
- 患者由来固形腫瘍細胞を用いて、短時間・低コストで、抗がん剤の薬効評価ができます。
- 様々な患者由来固形腫瘍細胞を用いてアッセイを行います。(F-PDXのリストはこちらから)
- 細胞増殖阻害試験や細胞傷害性試験を行うことが可能です。
細 胞 | F-PDXマウスから作製した凍結腫瘍組織 |
---|---|
被験物質 | 抗がん剤8種(公比3, 20 μMから10濃度, n=3) |
F-PDX(卵巣がん)を用いた抗がん剤評価
DOVA017: 卵巣がん由来F-PDX | |||
---|---|---|---|
Mitomycin C | Paclitaxel | Afatinib | Carboplatin |
F-PDX由来造血器腫瘍の in vitro 評価系
- 動物モデルで評価する前に、免疫不全マウスで増殖した造血器腫瘍細胞(PDX由来細胞)を用いて in vitro でアッセイが可能です。
- 患者由来造血器腫瘍細胞を用いて、短時間・低コストで、抗がん剤の薬効評価ができます。
- 急性リンパ性白血病由来細胞(ALL)、急性骨髄性白血病由来細胞(AML) 、多発性骨髄腫を用いてアッセイを行います。(F-PDXのリストはこちらから)
- 細胞増殖阻害試験や細胞傷害性試験を行うことが可能です。
F-PDXで作製したALL患者由来細胞の in vitro 評価
- 高い精度と再現性で、抗がん剤の細胞増殖阻害活性が測定できます。
DLEU012: B細胞由来ALL | |||
---|---|---|---|
Cytarabine | Vincristine | ||
Experiment 1 細胞増殖: 1.0倍 |
Experiment 2 細胞増殖: 0.8倍 |
Experiment 1 細胞増殖: 1.0倍 |
Experiment 2 細胞増殖: 0.8倍 |
DLEU016: B前駆細胞型ALL | |||
---|---|---|---|
Clofarabine | Imatinib | ||
Experiment 1 細胞増殖: 1.5倍 |
Experiment 2 細胞増殖: 1.4倍 |
Experiment 1 細胞増殖: 1.5倍 |
Experiment 2 細胞増殖: 1.4倍 |
F-PDXで作製したAML患者由来細胞の in vitro 評価
- 高い精度と再現性で、抗がん剤の細胞増殖阻害活性が測定できます。
DLEU020: AML M5a | |||
---|---|---|---|
Dasatinib | Imatinib | ||
Experiment 1 細胞増殖: 1.1倍 |
Experiment 2 細胞増殖: 1.1倍 |
Experiment 1 細胞増殖: 1.1倍 |
Experiment 2 細胞増殖: 1.1倍 |
DLEU027: AML M4 | |||
---|---|---|---|
Vincristine | Dasatinib | ||
Experiment 1 細胞増殖: 0.8倍 |
Experiment 2 細胞増殖: 1.4倍 |
Experiment 1 細胞増殖: 0.8倍 |
Experiment 2 細胞増殖: 1.4倍 |
F-PDXで作製した造血器腫瘍由来細胞の in vitro 評価
急性リンパ性白血病(ALL)由来細胞 |
---|
急性骨髄性白血病(AML)由来細胞 | その他 |
---|---|
F-PDXで作製した患者由来細胞とがん細胞株の比較
- F-PDXモデルとがん細胞株の in vitro 評価結果をクラスタ解析できます。
- 患者由来細胞とがん細胞株では、薬剤感受性のパターンが異なります。
二重特異性抗体と細胞傷害性T細胞を用いたF-PDX造血器腫瘍の評価
- 細胞: F-PDX造血器腫瘍 4種
- 抗体: Blinatumomab(BLINCYTO)
- 公比10, 最高濃度 10 nM, n=3, 処理2時間
- 細胞傷害性T細胞: 抗CD3抗体で固相化したフラスコとIL-2を含む培地を用いてPBMCを16日間培養後、フリーズストックを作成, アッセイ2日前に解凍
- 染色試薬: Calcein-AM: Promo Cell (DMSO 0.25%)
評価方法
- Calcein-AMによる生細胞蛍光染色
- エフェクター細胞・抗体添加 (2 h)
- 蛍光強度の測定,死細胞算出
Blinatumomabと細胞傷害性T細胞を用いたF-PDX造血器腫瘍の評価
DLEU001: BCP-ALL | DLEU004: BCP-ALL |
---|---|
DLEU005: ALL | DLEU016: BCP-ALL |
■ 利用可能なF-PDXのリスト
タイトル | 形式 |
---|---|
F-PDX list | Excel |
■ 参考文献
■ Construction of in vitro patient‑derived tumor models to evaluate anticancer agents and cancer immunotherapy. Takahashi et al., ONCOLOGY LETTERS, 21, 406 (2021)
https://www.spandidos-publications.com/10.3892/ol.2021.12667
がん組織の構造および機能を正確に再現する患者由来腫瘍オルガノイド(PDO)および患者由来腫瘍異種移植片(PDX)モデルを用いたin vitroのアッセイシステムは、従来のがん細胞株モデルよりも疾患を再現できる前臨床がんモデルとして期待されています。しかし、これらのモデルを用いて抗がん剤の評価系を構築するのは容易ではありません。そこで、本論文では、化学療法薬、分子標的薬、抗体薬を含むさまざまなクラスの抗がん剤を評価するために、PDOおよびPDXモデルを用いたシンプルなin vitroハイスループットアッセイシステムを確立することを目的とし、固形腫瘍および造血器腫瘍から樹立したPDOおよびPDXを用いて、in vitroのハイスループットアッセイシステムを構築しました。
お問い合わせ
受託試験のご依頼は、医療- 産業トランスレーショナルリサーチセンターにお願い致します。