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福島県立医科大学:理事長兼学長ごあいさつ
竹之下誠一理事長兼学長写真
理事長兼学長
竹之下 誠一

新年度にあたり、ご挨拶を申し上げます。

今年1月、新年のスタートにあたり、本学は「変化を進化に、そして新しい価値の創造へ」という新たなテーマを掲げました。震災以来、私たちは様々な変化の中に晒されてきました。その変化にしなやかに適応し柔軟性を持って対応すること、つまりレジリエンスと、多様な変化に対応するため、周囲の様々なステークホルダーとの連携すること、つまりアライアンスの二つがこれまでの本学のテーマでした。この二つは、これからもずっと継続して取り組まなければなりません。今回さらにそれに加えて、本学はこの新しいテーマを掲げました。

今、本学に限らず大学は大変な難局に直面しています。大学を取り巻く社会環境はますます厳しさを増し、文字通り、生き残りを賭けた大学間の競争が激化しています。その現状を、私たちは冷静に、かつ正確に把握し、理解しなければなりません。その上で、福島県の医療と知の拠点として、そして、世界で唯一、未曾有の災害からの復興を医療と健康の面から支え続けること使命とした大学として生き残っていくために、どのような策を講じなければならないでしょうか。他の大学、医療機関と同じことをやっても生き残ることはできません。他大学に真似のできない、そしてこれまでにない本学ならではの取組を生み出すことが必要です。ルーチンワークが悪いわけではありません。しかし、明日と同じことを今日もやる、今日と同じことを明日もやる、という前例踏襲だけではこの難局は乗り切れません。

奇しくも現在、新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい、国内外はこれまでに経験したことのない不安の中にいます。この状況に対し安倍首相は「事態は、時々刻々、変化しています。前例に捉われた対応では、この前例なき危機に対応することはできません。やるべき対策は、躊躇(ちゅうちょ)なく決断し、実行してください。」と閣僚たちに指示を出しました。感染対策も含めて、前例のない事態を前に、これまでにない独創的なアイデアと積極的な行動力で事態を打破しなくてはならい、という意味では、本学の置かれている状況もまた同じです。これまでと違うことを求められることは、自分自身にとって大きな負担です。しかし、私たちには東日本大震災や原発事故という、過去に例のない変化に対応してきた実績があります。しかも変化は避けることができません。避けることができないのであれば、少しでも自らの進化の糧に利用するという発想が必要です。中国は、この新型コロナウイルス感染症への対応を進める中で、国内全土においてオンライン授業が可能なデジタルネットワークの構築とそこで配信する教育コンテンツの充実を、一気に加速させていると伝えられています。変化にうまく適応することは、これまでの本学が掲げたテーマ、レジリエンスと同じです。しかし、さらに、その変化を我々の将来、次世代のプラス、進化に変えて行くという視点が私たちにも求められていると実感します。

今、私たちに求められているのは「前例がありません」「分かりません」ではなく、新しい事例を自ら編み出し創出することです。いかんともしがたい変化の波を、耐え忍ぶのではなく、それを機会に、私たちの提供する教育や医療がより良いものになるよう、革新的な進化の構築に全身全霊で取り組んでいきたいと思います。患者さん、学生、県民の皆さんなど、本学が抱える多様なステークホルダーに対し、より良いソリューションを提供するためには、何をすべきかを熟考し、行動に移すことが、今改めて求められています。これだけ変化の激しい時代に、「従来と同じで良い」ということは、まず有り得ないのですから。

変化を進化に変えていくプロセスは試行錯誤の連続であり、多くの失敗を経験することは容易に推察できます。しかし、私たちはそれでも失敗を恐れず積極的に新たな価値の創造にチャレンジし、教職員ひとりひとりが、新たな価値の創造の先頭に立ち続けます。そして、新しい風は必ず福島県立医科大学から吹いてくる、イノベーションは必ず福島県立医科大学から起きる、といわれるような大学の姿を目指してまいります。

令和2年(2020) 4月1日
福島県立医科大学 理事長兼学長 竹之下 誠一

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