菊地臣一 コラム「学長からの手紙  〜医師としてのマナー〜

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8.誠意が欲しければ先ず自ら誠意を示すべき

他人の誠意が欲しいならば先ず自ら誠意を示しなさい。一般に私を含めて前述したように人は皆天動説です。地動説はありません。ですから自分に充分礼が尽くされていない、自分に充分に誠意が示されていない時には非常に腹をたてます。しかし、翻って考えてみましょう。

果たして自分は他人に対して誠意を尽くしているでしょうか。意外とそうでない事が多いように思います。ですから先ずスタートは、相手に誠意を求めたいと感じた時には先ず自分から誠意を示すのです。そうすると幾人かの人はそれに対して必ず誠意をもって答えてくれる筈です。“私が誠意をもって尽くしたから相手も誠意をもって尽くすべきだ”それは確かにそうなのですが,百人が百人ともそうはいきません。6対4の比率で誠意を示してくれる人がいればそれで充分なのです。

自分が誠意を尽くしておいて相手から誠意を示されないない時にはまだ自分の心は納得できます。しかし、往々にしてその逆の場合には自分が気がつかないうちに腹を立てますし、相手が腹を立てます。その結果非常に自分と他人との関係が気まずくなり、結果的には自分が損をします。だから相手の誠意を期待せずに先ず自分から誠意を示して、それからその誠意に対して誠意でもって答えてくれた人を非常に大事にして行くのが自分の人生を豊かな物にする筈です。

 

 

 

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