菊地臣一 コラム「学長からの手紙  〜医師としてのマナー〜

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12.全ての郵便物には礼状を

医師はその職業柄、多くの郵便物や小包みが届きます。お中元やお歳暮もその一つです。送り主が会社名である場合も少なくありませんが、少なくても郵便物や小包みが来るという事は、受取人の事を思って出す人が居るわけです。そういう相手に対して御礼を兼ねて郵便物或いは小包みが届きましたよという意思表示が必要です。例えそれが印刷物のみのダイレクトメールであってもです。返事、礼状を出す事により、相手の心を掴む事が出来ます。それは、宴会の出欠をなるべく早く提出する、或いは意思表示をするという他人への真の優しさと同じものです。

私自身には、こういうエピソードがあります。私自身、どんな郵便物でも返事を書く事を旨としています。先日、ある製薬会社の仙台支店長が突然訪れて来ました。その理由を聞くと、仙台支店長就任の挨拶状として約500枚郵送したそうです。でも、それに対する応答は私の手紙が一つだけだったそうです。その支店長は、その手紙一通に大いに感激して私を表敬訪問してくれたそうです。その人にとって、私の手紙は千金の値の価値があったのでしょう。しかし、私がその手紙の為に要した時間は僅か1,2分です。でも、将来私が何かの時にその人に助けられないという保証は無いのです。助けられる為にやっているわけではありませんが、何の繋がりも無い人間にいきなり依頼されるよりは、以前何等かの繋がりの有る人間に依頼されれば依頼された人間はNOとはなかなか言えません。以前にも言った様に人はどこかで繋がっており、いつ助けたり、助けられたりするか判りません。だから、一片のダイレクトメールといえども、粗末には出来ません。その一片のダイレクトメールに対する返事が自分の人生を変えるかもしれないのです。でも、どのダイレクメールが自分の人生を変えるかはその時は判りません。ですから、やはり我々の仕事の基本である確認、報告という習慣に従えば、当然返事は書くべきものである筈です。そうする事によって、自分自身の人脈を得る事は出来ます。

 

 

 

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