菊地臣一 コラム「学長からの手紙  〜医師としてのマナー〜

<< 前のページ  目次  次のページ >>

93.人を注意する時には、人格まで切り込まないこと

人を批判したり、人を批評する時に守らなくてはならないことがあります。これは私自身もきちんとそうしているかどうかはともかくとして、何時でも心掛けていることです。それは、注意したその人間の行動や言葉を注意するのは構わないのですが、その人間の人格まで踏み込んで批判するような言葉で注意することは禁物です。

例えば、「あなたの言っていることは間違っている」或いは「あなたの行った行動は間違っている」といった言い方はいいのです。しかし、「だからお前は駄目だ」と言うと、それは明らかに相手の全人格を否定することになります。ですから、注意するにもその様な配慮が必要なようです。

また何時でも言うことですが、注意されるうちが華です。お互い部下や後輩を持つとわかりますが、本当に見放すと全く注意しなくなります。一見その人に対して関心が無い様にさえ見えます。呆れ果てて見放されたわけです。ですから、注意される方も注意されるコツというものがあって、注意してくれる人に真剣に聞く耳、或いは真剣に対応する態度、更にはできたら嘘でもいいから感謝の気持ちを表現するべきなのではないでしょうか。

 

 

 

▲TOPへ