地域のみなさまへ

保健医療交流事業 (講演会) レポート

笑って元気に、笑いの力でストレス解消〜生活習慣病・認知症予防〜

磐梯町・令和4年12月20日(火)

講演の様子1
講演の様子2

講演会は、令和4年12月20日(火)13時30分から、磐梯町にある磐梯町中央公民館講堂を会場に定刻どおり開催されました。講師は、疫学講座の大平哲也教授が務められました。

講演は「笑って元気に、笑いの力でストレス解消〜生活習慣病・認知症予防〜」をテーマに行われました。

初めに、講師よりストレスについて説明されました。ストレスは仕事や家庭での人間関係、経済的な問題から生じることが多く、ストレスによって心理的反応(怒り、不安など)、身体的反応(頭痛、腹痛など)が現れ、行動の変化(多量飲酒、喫煙など)をもたらすこともあり、適切に対処しないとストレス関連の疾患(うつ病、高血圧、糖尿病など)に繋がる恐れもあると説明されました。

続いて、ストレス解消法の中で笑いが注目されていることを取り上げ、笑いの定義について説明されました。笑いの定義とは「ユーモアに対する身体的な反応」であり、笑いは「身体動作」と「発声」の2つから構成され、笑うと腕、足、体躯など身体の多くの部分の筋肉を使うため、これがストレス解消、健康に関係していると話されました。

続いて、「どのように笑ったら健康になるのか?」について説明されました。笑うことに関しては人それぞれ個人差があり、人によっては落語やお笑い番組では全く笑えないという人も中にはおり、誰でも笑えるものはないかと探し求めた結果、インドで「笑いヨガ」を見つけたと話されました。
 笑いヨガとはインド・ムンバイの開業医であったカタリア医師が発案したもので、人間の脳は「面白くて笑っているのか」、「面白いことがないのにニセ笑いしているのか」の区別はつかず、笑うという身体的な動作が身体に及ぼす効果はほぼ同じあり、健康体操の一環として笑いを取り入れてみようと始まったものであると説明されました。

日常生活で笑いヨガを実践しようということで参加者と一緒に笑いヨガを実践しました(手拍子や掛け声をしながら笑う、深呼吸しながら笑う、ハワイに旅行に行った気分で笑うなど)。
 笑いヨガが終わった後は身体が興奮状態にあるため、クールダウンさせることが重要と話され、ハミングというクールダウンを実施しました。

続いて、同じグループを対象に笑いヨガの実践と落語を聞いてどちらがよりストレスホルモンが下がるか調査を行ったところ、笑いヨガを実践した人の9割以上がストレスホルモンが下がっていることが分かり、 何をもって笑うかではなく、笑いという身体的動作そのものがストレス解消になることを説明されました。

さらに、「なぜ笑いは健康に良いのか?」を説明され、笑うことは有酸素運動であり、笑っている間の消費カロリーは安静時から10〜20%増加し、1日15分間の笑いは1日のエネルギー消費を10〜40kcal増加させると説明されました。
 笑いだけでなく運動を併用して行えば、さらに有酸素運動の効果が期待できるとし、講師がオススメする方法が笑いながらウォーキングをすることと話されました。ただ、一人で笑いながら歩いていると同時に大切な友人を失ってしまう恐れもあるため、一番良い方法は友人や家族など2人以上でおしゃべりをしながら歩くことであると述べられました。友人や家族と楽しくおしゃべりしながら歩くことで自然と笑いが生まれ、笑いと運動の相乗効果が期待できるとのことでした。

最後に、一緒にいて笑い合える人(家族、友人など)と交流を増やすことが何より大切と説明されました。特に冬は外出する機会(運動する機会)が減るため、お正月などは自宅で家族や親戚とたくさん笑って欲しいとのことでした。また、笑いはつられ笑いなどを通して他人に移るため、おしゃべりや笑いヨガなどを通して人と関われば、笑う機会も笑う人も増えていき、町全体にも笑いが増えてくると述べられ、御講演を終えられました。

前のページ (保健医療交流事業一覧) に戻る

お問い合わせ: 医療研究推進課 研究推進係

電話 024-547-1794 / FAX 024-581-5163
Eメール
※ スパムメール防止のため一部全角表記しています

▲TOPへ