《プレテスト》

《講義》 緊急被ばく医療体制の再構築  
      講師 : 長谷川 有史(放射線災害医療センター)
  震災発生時の救急医療現場の混乱とその理由と、緊急被ばく医療体制の再構築のための整備・訓練及び教育について、さらに今後予想される事態に対する対応に関する講義

 感想等(抜粋)
災害当時の職員の大変さが伝わってくる講義でした。私自身が立場だったら感情を制御できただろうか、災害に対して行動を起こせたか、医療者として考えさせられる時間となりました。今後起こるだろう災害に対して病院内で同じ方向を向けるように日頃から情報のやりとりが大切だと感じました。


《講義》 急性放射線症候群、放射線事故の歴史  講師 : 熊谷 敦史
急性放射性症候群についての概説と、過去の放射線事故(スリーマイル島事故、ハンフォード事故、JOC臨界事故等)の事例に関する講義
  

 感想等(抜粋)
被ばく線量と人体への影響、各種急性期障害とその他引き起こされる様々な障害を理解することができました。広島・長崎に投下された原爆が60年以上も前であることを考えると(1945年原爆投下)放射線事故の歴史は奥深いものであると痛感しました。また、その経験があったからこそ、今回の福島に手を差し伸べてもらえたんだな・・・と改めて感じました


《ワークショップ》 放射線事故対応(密封線源紛失事故、原発事故)  
講師 : 佐藤 久志 (放射線災害医療センター) ・ 熊谷 敦史
2班に各1題の設定が与えられ、具体的な事態、設定に対して各職種の準備、判断、対応を考える演習。線量計算も含まれており、より専門的な放射線のリスク認識を求める内容。
  

 感想等(抜粋)
普段聞きなれないような単語が飛び交い、救急の面でまだ力不足だということ認識できました。線量計算では机上では計算できても本番で焦らず対応できるのか、技師として知識と経験を増やさなければいけないと感じました。院内対応でもパニック等を考え現場と周囲に情報の周知と徹底がさらに必要だということが理解できました。


《講義》 めばえ幼稚園における震災と取り組み  
講師 : 伊藤 ちはる(福島めばえ幼稚園教員)
伊藤主任により震災当日〜現在に至るまでの経緯、対策等に関する説明。震災から2年たった現在は、園児の描く絵は震災前に戻りつつあるが、保護者の子どもを思うストレス(福島で生活する覚悟、漠然とした将来に対する健康や福島の状態への不安、など)への対応として、保護者のメンタルケアを現在も実施。
  

 感想等(抜粋)
外活動が制限されていた時の園内での遊びの様子を知ることができた。また、遊びのアドバイスを非常勤の臨床心理士から得られることや、主任保育士の相談場所をつくったことが印象的な取り組みだった。


《講義》 福島原発事故の人文社会科学的側面  
      講師 : 藤野 美都子 ・ 福田 俊章(人間科学講座)
原発に依存してきた福島の歴史から、福島の今(避難区域再編、人口減少、避難生活者の健康問題、人々の分断等)や事故責任の問題に関する考察、災害によって住民避難をした経験をもつ三宅島との相違等、法律学、倫理学的視点から福島を見つめる講義
  

 感想等(抜粋)
講師の先生方の実力通り、とても明快でわかりやすかったのですが、原発誘導に際し、都市部と地方との格差が基本的にあったといわれていました。東電の原発がなぜ東京湾に、関電の原発がなぜ大阪湾に作られないのか、どうして地方が割を食うのかもう少し聞きたかったです。


《演習》 リスクコミニュケーション  講師 : 安井 清孝 ・ 熊谷 敦史
模擬患者による住民健康相談の体験学習。放射線不安と不眠・不安の3例に対し、医師、看護師、放射線技師の3名で対応し、そのほかの受講生は別室で問診・会話状況をモニターし、実演後に受講生全員で症例対応に関するフィードバックを行った。
  

 感想等(抜粋)
自ら持つコミュニケーション能力の低さを改めて感じました。避難住民の抱える問題を拾い上げる、医療介入を要する住民を拾い上げ個々の問題に対応することは、もっともっと自分自身に知識・スキルがないと出来ないことであるのかな・・・・と痛感しました。


《ポストテストと解説》