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循環器内科学講座 医学コラム

会津嶺(鶴谷 善夫)

 循環器内科は心臓・血管系の疾患を扱う診療科で、「虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞など)」、「不整脈(動悸がする、めまいがする、など)」、「心不全(息切れ、浮腫など)」、「動脈硬化(足などの血管がせまくなる)」、「高血圧」などが対象です。その中で、今回は不整脈についての疑問にお答えいたします。

Q:不整脈にはどんな種類が有り、どんな症状が出るのでしょうか?

A:不整脈とは、簡単に言うと、心臓の収縮の規則性が乱れた状態です。これには脈が増えるタイプの頻脈型不整脈、脈が少なくなるタイプの徐脈型不整脈に分けられます。頻脈型不整脈の症状は、脈が飛ぶような感じ、ドキッとする等を感じる期外収縮という疾患と、突然動悸がして苦しい、等を感じる発作性頻拍症という疾患があります。発作性頻拍には、発作性上室性頻拍、心房細動、心房粗動、心室頻拍、などがあります。徐脈型不整脈の症状は、気が遠のくようなめまい、失神(気を失う)、息切れ、浮腫(むくみ)等があります。これらは洞不全症候群や房室ブロックと言われるものが原因である事が多々あります。

Q:では、治療法にはどのようなものがあるのでしょうか?

A:頻脈型、徐脈型で治療法が異なります。頻脈型では、薬剤の内服をしていただく方法と、カテーテル治療を行う方法があります。発作性頻拍の場合は、カテーテルによる治療で根治することができるものが多く、薬剤の内服も不要になり、生活が大変楽になります。徐脈型の場合は、効果のある薬剤は存在しないため、ペースメーカーという機械が必要になります。

Q:ここ数年、心房細動という不整脈の事が話題になりますが、どういう治療がなされるのでしょうか?

A:心房細動の治療は、心房細動そのものを薬剤やカテーテルで治療する方法と、心房細動により心臓内に血のかたまりができやすくなり、それが脳などに飛んでいく塞栓症という状態になる事を予防するための薬物治療に大別されます。脳塞栓を起こすと死亡・寝たきり等の重篤な事態に至りますので、いかに適切な治療を行うかが重要です。また心房細動は、高血圧や糖尿病、慢性腎臓病などがあると起きやすくなることがわかっていますので、それらの治療も重要です。

 循環器疾患は人口の高齢化で大変増えてきています。治療法も多岐にわたるため、正しい医学的根拠に基づいた最適な治療を患者様方に提供できるように努めてまいります。 

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