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病院について

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病院長のあいさつ

福島県立医科大学会津医療センター副センター長兼附属病院長 大田雅嗣

2019年(令和元年)5月20日付で副センター長兼附属病院長を拝命した大田雅嗣です。重責ではありますが、皆様のお力をいただき、故棟方充前病院長の思いを胸に精一杯職務に取り組んでまいります。

当院は開設から丸6年が経ちました。開設前から勤務している職員の一人として、その当時のスタッフの大変な御苦労を今改めて思い出しています。会津医療センターをさらに発展させるため、全職員が誇りを持って働くことができる病院運営を心がけます。これを実現していくためのキーワードは、「専門的医療の提供」、「経営の安定化と投資」、「会津の特性を生かした地域連携」、「医療人の育成」、「職場環境の充実」です。

旧県立会津総合病院と喜多方病院とを統合して、新たに県立医大附属病院を設置することが決まり、故棟方先生と福島県立医科大学前理事長の菊地臣一先生のご努力で、2010年4月、旧会津総合病院に「会津医療センター準備室」が開設されました。元病院長 鈴木啓二先生の指揮のもと、喜多方病院のスタッフと共に2013年5月12日の開院以来、大学附属病院として専門性の高い医療を実践してまいりました。また、患者支援センター・看護専門外来の開設等、地域の方々に対してきめ細やかな医療を提供する、いわば包括的な支援サービスを提供できるようになりました。こうした経緯を踏まえて、引き続きより良い診療環境を構築していきたいと考えています。

専門性の高い医療の提供には当然経費がかかります。しかし、2017年4月に着任された故棟方前病院長のリーダーシップのもと、みごとに黒字経営に転換することができました。これからも経営努力は続けていかなければいけませんが、院内各部門において経費の見直しをしていきながら、同時に必要なところがあればそこに投資をし、医療の質の向上をもって会津地域の皆様へ還元してまいります。また、会津医療センター独自の医療の実践を発信していきたいとも考えています。具体的には、会津の文化や風土を活かした産学協同の取り組み、あるいはICT(情報通信技術)社会を見据えた他大学との医用工学に関する共同研究を進めていきます。

近隣の医療機関との連携を図り専門性を活かすことにより、会津で完結できる医療をこれからも実践してまいります。しかしそれと同時に、人口の減少・高齢化社会の到来により、地域医療のあり方を見直す時期でもあります。当センターはへき地医療拠点センター病院として福島県の医療政策に貢献していく責務を負っています。今後医療支援をどのように進めるかについて地域のニーズに合わせ、職員全員で考えていきたいと思います。

大切なのは後継世代の育成です。キャリアパスの構築にも留意しながら、院内全ての部署で専門性を活かした医療人の育成を行っていきます。特に医師については、新専門医制度の運用に伴い研修医の確保が喫緊の課題です。2019年4月から総合内科学講座に着任した山中克郎教授と知恵を絞っていきます。

当院で働く全ての職員にとって働きやすい職場環境の整備にも力を尽くしていきたいと考えています。組織が大きくなるとどうしても色々な問題が生じます。そのため、院内をくまなく歩きながら現場の声を聞くことで問題点を洗い出し、よりよい病院運営に心がけていきます。そのことが結果的に会津地域の皆様へ提供できる医療の質を高めることに繋がると思っています。

最後になりますが、地域医療の福島モデルの創生という故棟方前病院長の意志を引き継ぎ、職員一人一人が会津地域の健康を守っていくという自覚を持つことで、これからも会津地域の皆様とともに、当院をさらに発展させたいと考えています。

全員参加型の病院運営を心がけてまいりますので、どうかこれからも会津医療センターをよろしくお願いいたします。

2019年5月

福島県立医科大学会津医療センター副センター長兼附属病院長

大田雅嗣

病院長略歴

1979年3月 北海道大学医学部卒業
1979年6月 自治医科大学附属病院内科レジデント
1983年6月 自治医科大学血液医学研究部門造血発生 助手
1986年4月~1988年4月 米国マサチューセッツ州立大学医学部
放射線腫瘍学講座 研究員
1988年10月 自治医科大学血液医学研究部門造血発生 講師
1995年4月 北海道大学医学部癌研究施設生化学部門 助教授
1998年7月 東京都老人医療センター血液科勤務
2006年4月 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター副院長
2010年4月 公立学校法人福島県立医科大学会津医療センター準備室 教授
福島県立会津総合病院血液内科 気付
2013年5月 公立学校法人福島県立医科大学会津医療センター附属病院副病院長(~2018年3月31日)
同センター血液内科学講座 教授
2019年5月 同センター副センター長(医療担当)兼附属病院長

学会活動

  • 日本内科学会(認定内科医)
  • 日本血液学会(専門医、指導医、功労会員)
  • 日本癌学会
  • 日本造血細胞移植学会
  • 日本臨床腫瘍学会
  • 日本輸血細胞治療学会
  • 医療の質・安全学会
  • 米国血液学会
  • 米国癌学会
  • 日本がん治療認定医機構暫定教育医
  • 日本医師会認定産業医
  • 骨髄移植財団調整医師

【訃報】
棟方充 会津医療センター副センター長兼附属病院長が
御逝去されました

福島県立医科大学会津医療センター副センター長兼附属病院長、棟方充名誉教授が、2019年4月26日(金)、御逝去されました。67歳でした。葬儀は5月2日に厳かに執り行われました。

棟方先生は、昭和52年に北海道大学医学部を御卒業後、同大学医学部内科学第一講座などで研鑽を積まれ、平成11年4月に福島県立医科大学の呼吸器内科学講座主任教授に御就任。以来、20年の長きにわたり医学教育と研究に情熱を傾け、数多くの医学生を世に送り出すとともに、呼吸器内科部長として多くの患者の治療に当たってこられました。この間、呼吸器内科部長のみならず附属病院の副病院長、病院長のほか、会津医療センター準備室長、会津医療センター附属病院長等を歴任されるなど、本学の発展のために、多大な御尽力をいただきました。

また、研究におかれましても「呼吸器疾患における遺伝要因と環境要因の解明」をテーマとした臨床に密着した幅広い研究や難治性疾患の新しい診断法や治療法の開発の推進など、優れた実績を積み重ねられ、日本呼吸器学会や日本内科学会、日本アレルギー学会、日本呼吸器内視鏡学会の要職を歴任されるとともに、東北では初めて内科的胸腔鏡の導入など最新の内視鏡技術を取り入れ、高度な診断と治療を実践されました。

平成29年4月に会津医療センター副センター長兼附属病院長に就任されると、自ら先頭に立って経営改善に取り組むなど、病院長としてのリーダーシップをいかんなく発揮していただいておりました。

棟方先生の訃報に接し、ここに、改めて深く哀悼の意を表します。そして本学のさらなる発展と、優秀な医療人の育成に全力を尽くすことをお誓いすると同時に、本学、医学界、さらには福島県への御貢献と御尽力に対し深い感謝の心を捧げます。

人口減・高齢社会を背景にして、医療の在り方そのものが変化を求められています。私たちは「診療・研究・教育の拠点として地域医療の福島モデルを創生する」という故棟方病院長の意志を受け継ぎ、教職員一丸となり、これからも地域医療に尽力してまいります。

公立大学法人福島県立医科大学
理事長 竹之下 誠一

公立大学法人福島県立医科大学会津医療センター
センター長 髙久 史麿

前病院長のあいさつ

福島県立医科大学会津医療センター副センター長兼附属病院長 棟方 充

会津医療センター附属病院長として2017年4月に着任した棟方です。私は会津医療センターとは大変深い関係にあります。その関係は2008年3月から始まります。この時、福島県から、県立会津総合病院と県立喜多方病院を統合して作る予定であった会津統合病院(仮称)を大学附属化してほしいという要請がありました。大学内では、その是非について白熱した議論がありました。私は、竹田綜合病院、会津中央病院という素晴らしい病院がある中、あえて統合病院を作る意味はないと考え、反対派の筆頭でした。しかし、2008年9月、前菊地理事長の決断により大学附属化を受諾することとなりました。この際、新しい附属病院の目標は、①地域完結型会津医療圏の整備、②専門領域に特化した高度先進医療の提供、③県立医大「会津キャンパス」としての研究・教育機能、④県の財政負担の半減、の4点でした。

その後、私は、2009年6月から附属化準備委員会の診療部長、2010年4月からは会津医療センター準備室長として、医療センターの機能・組織・経営・病院等の設計から実現化までを2年間にわたってお世話させて頂きました。2012年4月からは、県立医大附属病院長を務める関係から、一時、会津医療センターからは離れておりました。そして2013年5月、髙久史麿センター長のもと会津医療センターがオープンしました。そして、前菊地理事長、現竹之下理事長のご指示により、この4月より、附属病院長として、再び、会津医療センターの運営に携わることになりました。

今振り返りますと、統合病院附属化に関する私の当初の考え方は全くの誤りだったと思います。現在の会津医療センターは、地域完結型医療圏確立に大きく寄与しています。また、地域県民からの信頼も厚く、多くの患者さんに来院頂き、高い評価を頂いています。また、研究・教育面でも、県立医大医学部・看護学部の学生にも人気で、多数の学生が医療センターで学んでいます。初期研修医にも人気で、本年度もフルマッチの状態で、現在8名が研修中です。また、医学教育システム開発センターも新設され、多くの産学共同研究や優れた臨床研究も進められており、福島県立医大「会津キャンパス」としての機能を充分に果たしています。更に、県の財政負担もほぼ半減し、当初の4つの目標はほぼ達成されたと言っても良いでしょう。震災後の大変な時期、医療センターをここまでに充実させてくれた職員の皆さんに、心より感謝申し上げます。そして、今は、本当に「福島県立医科大学会津医療センター」を作って良かったと思っています。

今、医師養成と医療政策は大きな転換期を迎えています。医師育成面では、この数年で医学部定員がかなり増えました。福島県立医大の定員も80名から130名へと1.5倍以上に増えています。また、医学教育の国際標準化ということで、学生の実習時間もこれまでの1.5倍になり、現在、新カリキュラムが作られています。また、専門医制度にもメスが入り、新たな専門医制度が立ち上がろうとしています。この点からも、福島県立医科大学として会津医療センターへの期待は非常に大きいものがあります。医療政策面では、人口減・高齢化を背景にして、医療の在り方そのものを考え直す時期が来ているようです。国では、2025年(平成37年)を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目標のもとで、地域の包括的な支援サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進しています。この面でも、会津地域における医療センターの役割は益々高まるものと考えています。

後も、髙久史麿センター長のもと、地域の皆さんに信頼され喜ばれる病院、学生・研修医に信頼され期待される病院、職員が誇りをもって働ける病院作りのため、全力を尽くしたいと思います。ご支援、ご協力のほど、宜しくお願い申し上げます。

(なお、私は医学部卒業後から臨床医として長く臨床現場で働き、昨年40年の節目を迎えました。専門は呼吸器内科で、多くの呼吸器疾患診療に関わってきました。特に、間質性肺炎・気管支喘息・慢性閉塞性肺疾患(COPD)では、新しい診断法・治療法の開発なども行ってきました。会津医療センターでは感染症・呼吸器内科の一員として診療にも携わります。外来は月曜日(午前)となっております。ご希望の方はどうぞ気楽にご受診下さい。)

2017年4月

福島県立医科大学会津医療センター副センター長兼附属病院長

棟方 充

前病院長略歴

1977年3月 北海道大学医学部卒業
1977年10月 - 1978年9月 KKR札幌医療センター(内科研修)
1978年10月 - 1979年3月 国立病院機構函館病院(内科研修)
1982年3月 大学院医学研究科修了(医学博士)
1987年9月 Johns Hopkins大学(USA)助教(環境健康科学講座)
1988年4月 北海道大学医学部助教(内科学第一講座)
1992年2月 北海道大学医学部講師(内科学第一講座)
1999年4月 福島県立医科大学医学部教授(呼吸器科)
2010年 - 2012年 会津医療センター準備室長(兼)
2012年 - 2014年 福島県立医科大学附属病院長
2017年4月 - 福島県立医科大学会津医療センター附属病院長

学会活動

  • 日本呼吸器学会:呼吸器学会専門医・指導医、理事(2010-14)、東北支部長(2006-9,2014-16)、AII部会長(2007-9)、禁煙推進委員会委員長(2010-11)、英文誌副編集長 (2012-16)、功労会員(2017-)
  • 日本アレルギー学会:英文誌編集委員(2005-6)、学術大会賞選考委員(2010-)
  • 日本内科学会:英文誌編集委員(2001-5)
  • 日本呼吸器内視鏡学会:編集委員(2005-12)、特別会員(2017-)
  • アジア太平洋呼吸器学会(APSR):理事(2007-13)
  • アジア太平洋胸部協会(APTA):理事(2009-)
  • 米国胸部疾患学会(ATS):RSFプログラム委員2004-11
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