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研修教育センター

training center

初期研修医プログラム

臨床研修委員会 委員長あいさつ

2023年4月1日より臨床研修委員会 委員長を拝命しました小川 洋です。どうぞよろしくお願い申し上げます。

私は1987年に福島県立医科大学を卒業し直ちに福島県立医科大学耳鼻咽喉科学講座に入局しました。現在の研修システムとは全く異なったシステムのなかで臨床経験を積んできたことになります。医学教育は変化し、卒前・卒後一体となり、よりよい臨床医を育成する方向で動いてきております。そのような変化のなかでも変わらないもの、それは人間形成であると考えています。

進歩する医学に対応して知識、技術の研鑽は必要十分条件です。当たり前のことですが、臨床は「ヒト」と直接関わることになります。医師側が最適であると考えた治療方法が必ずしも患者の満足度を得られるとは限りません。「病(やまい)」は多くの要因が複雑に絡んでいる場合があります。高名な医師でも満足度が得られないことがある一方で真摯に対応した研修医が感謝されるとういう場面もあります。

臨床は単純ではなく迷いながらも自身の知識をフルに活用して対応していかなければなりません。知識、技術、さらに人間性の成長を会津の地で磨き上げていただきたいと思います。私自身のことを考えてみても技術の習得のためには多くの時間を費やし様々な機会を利用してきました。母校での研修では足りないと感じたことは、他の施設で研修をさせていただきました。このような研修ができたのは、当時の職場上司の理解があったからだと感謝しています。

会津医療センターは開設10年を迎えたあたらしい施設です。小さな施設ですが、逆に小さい施設だからこそきめ細やかな指導体制ができると考えています。もちろん当院単独で研修できない内容がありますので、ここは関連協力施設で十分な研修を積んでいただきます。そのような場を提供できる研修システムとなっています。医師としてスタートを切る最初の二年間はそれからの医師人生に多大な影響をあたえることになります。大切な二年間の初期研修が福島県会津の地で充実したものになるよう願っています。

耳鼻咽喉科学講座教授

臨床研修委員長

小川 洋

プログラムの概要

名称

福島県立医科大学会津医療センター附属病院初期研修プログラム

特徴

  • 研修内容は、各研修医の意見を尊重し決定します。
  • 基本的な診察法・手技の習得に重点を置きます。
  • オリエンテーション期間中に、医師以外の他職種の業務を体験し、血液生化学検査・生理機能検査・細菌検査(グラム染色を含める)・簡単なX線撮影(ポータブルを含む)を行える能力を取得します。
  • 初診から入院・検査・治療・退院後のフォローを独力で完遂できることを目指します。
  • 会津医療センターでの臨床研修を補完するために、協力型臨床研修病院(福島県立医科大学附属病院及び自治医科大学附属病院など)での臨床研修を行います。
  • 臨床研修終了後に、サブスペシャルティ領域の専門医資格が円滑に取得できるように配慮します。なお、福島県立医科大学会津医療センター附属病院では、「日本専門医機構が認定するサブスペシャルティ領域」の取得が可能であり、今後、日本専門医機構が認定する可能性のあるサブスペシャルティ領域(不整脈、高血圧、透析、漢方、大腸肛門病、カプセル内視鏡など)の専門医資格も取得可能です。
  • 臨床研修終了後に、福島県立医科大学の医学博士の取得を目指すことも可能です。

院外の講習会・セミナーへの積極的参加

当院では当院のみの研修では不十分だと自覚しています。そのことから院外の学会や講習会・セミナーへの積極的な参加を推奨しています。また当院の研修修了の基準に学会発表・論文作成を設けています。そのための経済的な補助もしています。

講習会・セミナーの例

  • 福島感染症勉強会
  • Fukushima Advanced Course by Experts
  • BSL・ACLS講習会
  • JPTEC・JATEC・PTLS講習会
  • TNT講習会
  • ERアップデート
  • IDATENサマー/ウインターセミナー
  • 肺癌診断会
  • 循環器フィジカルイグザミネーション
  • 講習会
  • 診断推論セミナー
  • リウマチ膠原病セミナー
  • 会津日新館=会津三病院合同勉強会
  • 各学会参加・発表

2012年度から会津日新館プログラムが始動しています

ここ福島県の会津地方には当院の他に会津中央病院様・竹田綜合病院様の3つの臨床研修病院があります。2012年度からは2年目の選択研修で、3つの研修病院から希望する科を選択して研修する事ができます。研修医にとっては、いいとこ取りのプログラムです。

例えば会津中央病院;救急救命センター+竹田綜合病院;小児科+当院;総合内科・漢方内科などの組み合わせで研修が可能です。

内容・ローテーション

研修の方法

基本的には必修科目(内科・救急部門・地域医療)と当院独自のプログラムとしてオリエンテーション2週+外科系(消化器外科、呼吸器外科、整形外科・脊椎外科)12週を必修として研修を行っていただきます。

内科研修は内科総合プログラムとし、総合内科、循環器内科、感染症・呼吸器内科、血液内科、消化器内科、糖尿病・内分泌代謝・腎臓内科、漢方内科を選択して研修し、その他の必修科目(小児科・産婦人科・精神科)を各4週以上研修します。

2年目には必修科目+その他の選択科目の研修目標に沿って行い、プログラム責任者による年2回以上の面談を通じて形成的評価を行い、各個人に適した目標と指導方法を研修医と指導医が協力して構築していきます。

臨床研修体制

責任者及び研修委員会

病院長が最終責任者となり、研修終了の認定を行います。
臨床研修委員会を設置し、研修の管理、進路相談など研修医を支援いたします。

指導医

指導医は、臨床経験7年程度の各学会の専門医で、プライマリ・ケアを中心とした指導を行える十分な能力を有するものが当たります。必修科および選択科の指導医1人につき1名の研修医を指導いたします。指導にあたっては、自己評価および指導医と院内他職種の形成的評価をもとに行い、研修委員会を定期的に開催します。
さらに、指導医の形成的評価も行い、研修医と指導医の質向上を図っていきます。

研修の評価方法

研修記録簿に研修の記録を記入します。そして、担当指導医ならびに卒後臨床研修委員会による評価の際には、自己評価を記入し、提出します。また、当院独自の修了基準として学会発表または論文作製があります。

研修委員会において、各科の経験目標について、自己評価、指導医および院内他職種(看護師、薬剤師、医療技師、事務等)の形成的評価をもとに総合評価を行います。その結果を踏まえて、研修医および指導医にさらなる向上のための指導を行います。

2年後の研修の終了にあたり、今後の各個人の努力目標について、指導医とともに追求します。形成的評価を重要視し、基本的には総括的評価は行いません。最終的に臨床研修委員会で総合的評価を行い、病院長に上申します。病院長は研修を終了したと認定された研修医に対して、病院長名で臨床研修修了認定証を授与し、この臨床研修修了認定証の交付をもって、臨床研修終了とします。

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