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理事長室からの花だより

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理事長室からの花だより

2010.12.17

vol.105  − 初雪 −

先日(12月9日)、福島に初雪が観測されました。積雪はなく、大学の周りでは雪舞い程度でした。
いよいよ冬到来です。

         さびしさはなほのこりけり跡たゆる
         落葉がうへに今朝は初雪
                                      鴨長明(無名抄)

色彩感の乏しいこの時季、あちこちの庭の隅に目立たずに佇んでいるヤツデが、白い花で存在感を際立たせています。南天の赤と好一対の組み合わせをみることもできます。

この時季、関東平野では朝のうちは、富士山がくっきりとみえます。
先日も、新幹線で東京へ向かう際に、大宮付近で裾野に霞がかって、真白き富士が青空を背景に清々しい姿をみせてくれていました。

冷たい雨の中、仕事で国会議事堂界隈を歩きました。
下を向いて歩いていたお蔭で、吸水性(?)のアスファルトの黒の上に、散り敷かれている無数の銀杏(イチョウ)の黄色、この鮮やかな対比に、一時、寒さを忘れ“滅び”の美にしばし歩みを弛めて見惚れてしまいました。
色の組み合わせと銀杏の葉の配置、琳派のデザインをみるようです。改めて東京には多くの銀杏並木のあることに気付かされます。
銀杏並木というと、映画「第三の男」の最後のシーンを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。もっとも、我々の世代は音楽から映画に入っていった人が多かったように思いますが…。

12月16日は、音楽史上の巨人、ベートーヴェンの誕生日です。
中学校時代は、有名な彼の肖像画が音楽教室に飾られており、鑑賞の時間には交響曲第5番を何度も聞かされました。私のレコードコレクションをみると、フリッツ・ライナー指揮による1959年録音のLPとCDがありました。今は、余程心に余裕がないと聴くことがありません。
彼が生前から偉大な存在として尊敬されていたことは、遺髪が保存されていることからも窺えます(ラッセル・マーティン「ベートーヴェンの遺髪」)。今は真の天才と謳われているモーツァルトが活躍していたその時代、既に彼とベートーヴェンとは対照的な評価だったのでしょうか。

今週の花材は、執務室は、色といい形といい役者が見得を切ったような佇まいです。
秘書室は、慎ましげな優雅さを醸しだしています。


(福島県立医科大学理事長 菊地臣一)




今週の花


【理事長室】
■ユリ(アプリリア)   ユリ科/球根植物/前回と同じ大輪
咲きのユリ「オリエンタルハイブリット系」の品種。「アプリリア」
は赤紫のシックな花色。
■グラジオラス(グランプリ)   アヤメ科/常緑低木/原産:
南アフリカ/《名前の由来》葉の形に由来し、ラテン語で「剣」を
意味する“gladius”から/園芸品種は1000種を超える。草丈
は1mほどあり、漏斗状の花が花茎いっぱいに次々と開花す
る。満開になった姿はとても豪華。
■ドラセナ(ミニスノーホワイト)   リュウゼツラン科/原産:
熱帯アジア・熱帯アフリカ/日本で出回っている観葉植物の代
表的なもの。葉姿も様々で約50品種ほどある。一番良く知ら
れているのは“幸福の木”と呼ばれる「ドラセナマッサンゲア
ナ」。「ミニスノーホワイト」は葉のフチに白色が入る。
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana/1051.jpg
(無断転載等はご遠慮ください)



【秘書室】
■ラナンキュラス(ジュリアン)   キンポウゲ
科/球根植物/原産:西アジア・トルコ地方/
《名前の由来》ラテン語で「蛙」の“rana”に由
来。自生地が蛙のたくさんいる湿地であること
から/ふわふわと柔らかい花弁が幾重にもか
さなる花姿。ピンクやオレンジのパステル系か
ら紫などのシックなものまで花色が豊富。
■カーネーション(ノビオバーガンディ)   ナ
デシコ科/多年草/母の日に贈る花として長
く親しまれている花。菊、バラとならび、世界的
にみても生産量の多い主要花。ノビオシリー
ズは紫やボルドーを基調とした複輪が綺麗な
品種。バーガンディの他、「ノビオバイオレット」
「ノビオハードロック」「ノビオバタフライ」など。
■ユーカリ(ポポラス)   フトモモ科/常緑
高木/原産:オーストラリア/コアラの食べる
木として有名。オーストラリアの森の4分の3
がユーカリといわれ、約600種分布。園芸品
種の中でも「ポポラス」は葉が丸く大きいのが
特徴。
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana/1052.jpg
(無断転載等はご遠慮ください)

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