HOME > 理事長室からの花だより
理事長室からの花だより
新着 30 件
理事長室からの花だより
vol.183 − 哀切 −
木槿(ムクゲ)があちこちに咲いています。
(vol.40 http://www.fmu.ac.jp/univ/cgi/hana_disp.php?seq=64)
(vol.42 http://www.fmu.ac.jp/univ/cgi/hana_disp.php?seq=67)
(vol.86 http://www.fmu.ac.jp/univ/cgi/hana_disp.php?seq=112)
(vol.135 http://www.fmu.ac.jp/univ/cgi/hana_disp.php?seq=168)
(vol.136 http://www.fmu.ac.jp/univ/cgi/hana_disp.php?seq=169)
(vol.139 http://www.fmu.ac.jp/univ/cgi/hana_disp.php?seq=172)
(vol.140 http://www.fmu.ac.jp/univ/cgi/hana_disp.php?seq=173)
清楚で、少し儚なげに佇んでいます。自然は、悠然とその営みを繰り返しています。
豪雨で増水した川は、普段のそれとは一変した表情をみせました。
濁流は波立ち、何かに怒っているようです。
豪雨の過ぎ去った川は、穏やかな表情を取り戻しています。
膨(ふく)よかな朝の大気の下、やや霞がかった河岸の樹木は、岸と水辺を繋いで、まるでコローの風景画のようです。スローモーションのように人や車が影となって目の前を過ぎていきます。
原発事故後、それ以前と同じように仕事をしようと心に決めて動く毎日、忙(せわ)しなく過ごしていると、心の制御が難しくなるときがあります。「忙」とは心を亡くすということですから、心せねば…。
7月も終わろうとしています。朝から夜まで仕事が連日入ってしまうと、凡人の生きる武器である「愚直なる継続」が、却って自らを追い込んでしまいます。
桴(いかだ)に乗じて海に浮かばん
孔子
「男という者は、人生が配ってくれたカードでやっていくもので、配られたカードが悪いと愚痴を言うものではない」、分かってはいても、人生は切ないものです。
「今日の10円より明日の100円」を自らに、そして周囲にも説いて過ごしているとき、「ドラマは外側にあるのではなく、人の心のなかにある」を実感します。
何でこんなにさみしい風ふく
山頭火
このところ、食欲が少し落ちてしまいました。“残すなら食べるな!”と父に一喝された遙か昔、一時、思い出に浸ってしまいます。夢を語るよりも思い出に浸ることが多くなると年寄りの証拠です。
「何を見ても何かを思い出す」、小学生時代の夏、育った家の近くにあった木造の駅舎に出掛けて、汽車(当時はこう言っていました)をよくみていました。
汽車は8620形(当時を知る人に調べてもらいました)で、車体は、幹線のそれよりは小振りでした。転車台で汽車を方向転換しているとき、鉄道員の方が「一緒にやってみるか」と作業に参加させてくれました。
都市化や効率化の波は、他人への思い遣りや人としての温(ぬく)もりを置き去りにしてしまったように思えてなりません。規則とかカタカナ用語と引き換えに、ゆるやかな時の流れの中で滲み出てくる人間らしい何かを失ってしまったようです。
7月24日、芥川龍之介の命日です。毎年「河童忌」が催されています。
芥川龍之介(1927年)、三島由紀夫(1970年)、そして川端康成(1972年)と、名立たる作家達が自裁しています。彼等は、我が国に古来からある補陀洛(ふだらく)思想の継承者なのでしょうか。
(vol.88 http://www.fmu.ac.jp/univ/cgi/hana_disp.php?seq=114)
この現象は、我が国の伝統文化と深く結びついているような気がします。
今週の花材は、執務室、秘書室ともに自らに課せられた表現の役割を果たしていて、沈黙や健気を連想させます。
(福島県立医科大学理事長 菊地臣一)
※海外出張のため、来週の「理事長室からの花だより」は休載させていただきます。
8月10日(金)より連載再開いたします。
(vol.40 http://www.fmu.ac.jp/univ/cgi/hana_disp.php?seq=64)
(vol.42 http://www.fmu.ac.jp/univ/cgi/hana_disp.php?seq=67)
(vol.86 http://www.fmu.ac.jp/univ/cgi/hana_disp.php?seq=112)
(vol.135 http://www.fmu.ac.jp/univ/cgi/hana_disp.php?seq=168)
(vol.136 http://www.fmu.ac.jp/univ/cgi/hana_disp.php?seq=169)
(vol.139 http://www.fmu.ac.jp/univ/cgi/hana_disp.php?seq=172)
(vol.140 http://www.fmu.ac.jp/univ/cgi/hana_disp.php?seq=173)
清楚で、少し儚なげに佇んでいます。自然は、悠然とその営みを繰り返しています。
豪雨で増水した川は、普段のそれとは一変した表情をみせました。
濁流は波立ち、何かに怒っているようです。
豪雨の過ぎ去った川は、穏やかな表情を取り戻しています。
膨(ふく)よかな朝の大気の下、やや霞がかった河岸の樹木は、岸と水辺を繋いで、まるでコローの風景画のようです。スローモーションのように人や車が影となって目の前を過ぎていきます。
原発事故後、それ以前と同じように仕事をしようと心に決めて動く毎日、忙(せわ)しなく過ごしていると、心の制御が難しくなるときがあります。「忙」とは心を亡くすということですから、心せねば…。
7月も終わろうとしています。朝から夜まで仕事が連日入ってしまうと、凡人の生きる武器である「愚直なる継続」が、却って自らを追い込んでしまいます。
桴(いかだ)に乗じて海に浮かばん
孔子
「男という者は、人生が配ってくれたカードでやっていくもので、配られたカードが悪いと愚痴を言うものではない」、分かってはいても、人生は切ないものです。
「今日の10円より明日の100円」を自らに、そして周囲にも説いて過ごしているとき、「ドラマは外側にあるのではなく、人の心のなかにある」を実感します。
何でこんなにさみしい風ふく
山頭火
このところ、食欲が少し落ちてしまいました。“残すなら食べるな!”と父に一喝された遙か昔、一時、思い出に浸ってしまいます。夢を語るよりも思い出に浸ることが多くなると年寄りの証拠です。
「何を見ても何かを思い出す」、小学生時代の夏、育った家の近くにあった木造の駅舎に出掛けて、汽車(当時はこう言っていました)をよくみていました。
汽車は8620形(当時を知る人に調べてもらいました)で、車体は、幹線のそれよりは小振りでした。転車台で汽車を方向転換しているとき、鉄道員の方が「一緒にやってみるか」と作業に参加させてくれました。
都市化や効率化の波は、他人への思い遣りや人としての温(ぬく)もりを置き去りにしてしまったように思えてなりません。規則とかカタカナ用語と引き換えに、ゆるやかな時の流れの中で滲み出てくる人間らしい何かを失ってしまったようです。
7月24日、芥川龍之介の命日です。毎年「河童忌」が催されています。
芥川龍之介(1927年)、三島由紀夫(1970年)、そして川端康成(1972年)と、名立たる作家達が自裁しています。彼等は、我が国に古来からある補陀洛(ふだらく)思想の継承者なのでしょうか。
(vol.88 http://www.fmu.ac.jp/univ/cgi/hana_disp.php?seq=114)
この現象は、我が国の伝統文化と深く結びついているような気がします。
今週の花材は、執務室、秘書室ともに自らに課せられた表現の役割を果たしていて、沈黙や健気を連想させます。
(福島県立医科大学理事長 菊地臣一)
※海外出張のため、来週の「理事長室からの花だより」は休載させていただきます。
8月10日(金)より連載再開いたします。
今週の花
【理事長室】
■ヒマワリ〔東北八重〕 キク科/一年草/
原産:北アメリカ/誰もが知る夏の代表的な
花。品種が豊富で、黄色やオレンジの他に茶
色やエンジもある。「東北八重」は花の中央ま
で花弁がたっぷりの八重咲。
■ブラックベリー バラ科/原産:北アメリカ
/花期は4〜5月で、7〜8月に収穫できる。品
種により直立性やほふく性があり、庭木や垣
根として楽しめる。実は生食のほかジャムや果
実酒などに利用。
■アマランサス〔ハンギンググリーン〕 ヒユ
科/原産:熱帯アメリカ/モコモコとした小さな
毛糸玉がつながったような花穂。紐状に垂れ
下がって咲く。
■ワレモコウ バラ科/多年草/茶色の実
のように見える部分が花序。日本全土の山野
に自生し、開花期は7〜10月頃。根はタンニン
を含み、止血薬などに用いられる。
■ヒペリカム〔シャイニーロマンス〕 オトギリ
ソウ科/半落葉低木/原産:ヨーロッパ・アジ
ア/初夏に黄色い花が咲く。花後につける実を
鑑賞するものとして流通。
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana/1831.jpg
■ヒマワリ〔東北八重〕 キク科/一年草/
原産:北アメリカ/誰もが知る夏の代表的な
花。品種が豊富で、黄色やオレンジの他に茶
色やエンジもある。「東北八重」は花の中央ま
で花弁がたっぷりの八重咲。
■ブラックベリー バラ科/原産:北アメリカ
/花期は4〜5月で、7〜8月に収穫できる。品
種により直立性やほふく性があり、庭木や垣
根として楽しめる。実は生食のほかジャムや果
実酒などに利用。
■アマランサス〔ハンギンググリーン〕 ヒユ
科/原産:熱帯アメリカ/モコモコとした小さな
毛糸玉がつながったような花穂。紐状に垂れ
下がって咲く。
■ワレモコウ バラ科/多年草/茶色の実
のように見える部分が花序。日本全土の山野
に自生し、開花期は7〜10月頃。根はタンニン
を含み、止血薬などに用いられる。
■ヒペリカム〔シャイニーロマンス〕 オトギリ
ソウ科/半落葉低木/原産:ヨーロッパ・アジ
ア/初夏に黄色い花が咲く。花後につける実を
鑑賞するものとして流通。
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana/1831.jpg
【秘書室】
■アマランサス〔ハンギングレッド〕(理事長室と同花材)
■セダム ベンケイソウ科/600種以上ある多肉植物。耐寒性耐
暑性があり乾燥にも強く、屋上緑化などに用いられる。花が咲き切り
花として流通するものも、丈夫で長く楽しめる。
■カーネーション〔スノーホワイト〕 ナデシコ科/多年草/原産:
地中海沿岸/江戸時代に渡来。母の日の花として古くから親しまれ
る。パステルから原色、複色や絞り柄など、品種が豊富。
■トルコギキョウ〔クラリスピンク〕 リンドウ科/多年草/原産:北
アメリカ/品種改良が盛んで、毎年多くの新種が出回る。夏の花なの
で、暑さに強く日持ちする。「クラリスピンク」は淡いピンクの八重咲。
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana/1832.jpg
■アマランサス〔ハンギングレッド〕(理事長室と同花材)
■セダム ベンケイソウ科/600種以上ある多肉植物。耐寒性耐
暑性があり乾燥にも強く、屋上緑化などに用いられる。花が咲き切り
花として流通するものも、丈夫で長く楽しめる。
■カーネーション〔スノーホワイト〕 ナデシコ科/多年草/原産:
地中海沿岸/江戸時代に渡来。母の日の花として古くから親しまれ
る。パステルから原色、複色や絞り柄など、品種が豊富。
■トルコギキョウ〔クラリスピンク〕 リンドウ科/多年草/原産:北
アメリカ/品種改良が盛んで、毎年多くの新種が出回る。夏の花なの
で、暑さに強く日持ちする。「クラリスピンク」は淡いピンクの八重咲。
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana/1832.jpg