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理事長室からの花だより

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理事長室からの花だより

2008.11.10

vol.12  − 時雨(しぐれ) −

本学の解剖慰霊祭(10月29日)の日、初時雨がありました。
山の麓にある福島市は、冬を告げる使者は時雨です。雲間からの陽射しの中をさっと降ってくる雨は、若い頃には寒い冬の到来、あるいは寂しさを感じさせ、とても愛でる気持ちにはなれませんでした。

歳を重ねると、「けふばかり人も年よれ初時雨(芭蕉)」の心境が心から感じ取ることが出来るようになりました。
芭蕉の初時雨の句といえば、「初時雨猿も小蓑を欲しげなり」がより有名かも知れません。私は、弟子達や学生に、前者の句を、いつか分かる時が来るよと言えます。そして、何故か、無常をこの句に感じるのは私だけでしょうか。

この季節、大学の構内も枯葉が舞い、これを踏みしめて歩くのもこの季節だけに許される楽しみの一つです。
「枯葉」の歌唱や演奏は誰が良いかとなると、百家争鳴になること必定なのでやめておきます(笑)。只、この名曲の作曲家であるコスマの作品を集めたCDも仲々洒落ています。


(福島県立医科大学理事長 菊地臣一)

今週の花


【理事長室】
■山茶花(さざんか)
ツバキ科 常緑高木
《名前の由来》椿と良く似ているサザンカが混
同され、椿の中国名「山茶花(さんさか)」が山
茶花(さざんか)として間違って定着した。山茶
花の中国名は「茶梅花」。
日本原産の花で、学名・英名ともにサザンカ。
晩秋から初冬の花の少ない時期に開花する。
江戸時代から多くの園芸品種が栽培され、現
在は約300種といわれている。日陰や剪定に
強く、垣根としても利用される。椿は花首ごと
落ちるが、山茶花は花弁が散る。

■ピンポン菊(オペラパール)
キク科 多年草
淡いピンクでまん丸に咲く可愛い菊。和装ブラ
イダルでもブーケや会場装花によく利用され
る。
花言葉「高貴」





【秘書室】
■ユリ(シーラ)
ユリ科 球根植物
カサブランカと同様のオリエンタルハイブリット種。花色は花弁の
フチに向かって濃くなるピンクのグラデーション。優しく上品な色で
ピンクの中でも人気のある品種。
花言葉「壮美」

■千日紅
ヒユ科 一年草
9月に2度(vol.6&8)使用した花。まん丸の花序が可愛く、花持
ちもよい。
花言葉「永遠の恋」

■タニワタリ
チャセンシダ科 常緑シダ植物
波打つ葉のフチが特徴のグリーン。熱帯原産の植物で、鉢物でも
出回る。前回の旭ハランと同様に、いろいろな使い方ができる。
丸める、裂く、折るなど、形状を変えて活けたり、花器の中で花止
めとして使用する他、花束を包んだりとラッピング材のような利用
もできる。




(写真:伊藤俊一 氏)

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