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理事長室からの花だより
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理事長室からの花だより
vol.29 − 瑞穂の国 −
30年以上前に、父の急逝で毎週末(当時は土曜日は半ドン)、後始末に東京と故郷を新幹線で往復していました。
時は移り、今も仕事で東京と福島を毎週往来しています。
東京を発ち、大宮発(当時は大宮が始発)の新幹線に乗ると、間もなく水を湛えた水田が眼前に広がり、水が光を乱反射して万華鏡のようでした。この光景は、当時心理的にも肉体的にも追い込まれていた自分の心を新鮮にして、リセットしてくれました。
田植えの時期になると、見渡す限りの水の中に緑の絨毯が風にそよいで、その音(聞こえる筈のない)と水田の上を吹き抜ける風を視て(これも視える筈がない)、今まで田舎に住んで、この風景の奏でる音楽と映像が感知出来なかったのが不思議に感じました。
ここにも“視れども視えず”は当て嵌まりそうです。
山間の田舎に育った自分には、見渡す限りの田植えの終わった水田の「水の草原」のような風景は、初めて海を見た人が感じるであろうと思うような強烈な印象を受けました。
今では、これからの時期、この水田の風景は車中で楽しみにしている体験の一つです。真に「瑞穂の国」が実感できます。
みちのく福島での田植えといえば、芭蕉の「早苗とる手もとや昔しのぶ摺」が有名です。このしのぶ摺は、古今集の「みちのくのしのぶもちずり誰ゆえに乱れそめにし我ならなくに」(源融)を受けています。
このしのぶもち摺の石は、大学から5〜6分の所に今もあります。
日本の風物詩とも言える田植えを描いた絵は、東北の美術館を巡ると必ず地元出身の画家のコレクションの中にみられ、中には極めて印象的な、懐かしさを感じる絵があります。全国的に有名な絵となれば、村上華岳の「田植の頃」や川合玉堂の「早乙女」が代表的でしょうか。田植えや農作業の絵画をみて安らぎや懐かしさを感じるのは、田舎育ちの私だからでしょうか。
(福島県立医科大学理事長 菊地臣一)
時は移り、今も仕事で東京と福島を毎週往来しています。
東京を発ち、大宮発(当時は大宮が始発)の新幹線に乗ると、間もなく水を湛えた水田が眼前に広がり、水が光を乱反射して万華鏡のようでした。この光景は、当時心理的にも肉体的にも追い込まれていた自分の心を新鮮にして、リセットしてくれました。
田植えの時期になると、見渡す限りの水の中に緑の絨毯が風にそよいで、その音(聞こえる筈のない)と水田の上を吹き抜ける風を視て(これも視える筈がない)、今まで田舎に住んで、この風景の奏でる音楽と映像が感知出来なかったのが不思議に感じました。
ここにも“視れども視えず”は当て嵌まりそうです。
山間の田舎に育った自分には、見渡す限りの田植えの終わった水田の「水の草原」のような風景は、初めて海を見た人が感じるであろうと思うような強烈な印象を受けました。
今では、これからの時期、この水田の風景は車中で楽しみにしている体験の一つです。真に「瑞穂の国」が実感できます。
みちのく福島での田植えといえば、芭蕉の「早苗とる手もとや昔しのぶ摺」が有名です。このしのぶ摺は、古今集の「みちのくのしのぶもちずり誰ゆえに乱れそめにし我ならなくに」(源融)を受けています。
このしのぶもち摺の石は、大学から5〜6分の所に今もあります。
日本の風物詩とも言える田植えを描いた絵は、東北の美術館を巡ると必ず地元出身の画家のコレクションの中にみられ、中には極めて印象的な、懐かしさを感じる絵があります。全国的に有名な絵となれば、村上華岳の「田植の頃」や川合玉堂の「早乙女」が代表的でしょうか。田植えや農作業の絵画をみて安らぎや懐かしさを感じるのは、田舎育ちの私だからでしょうか。
(福島県立医科大学理事長 菊地臣一)
今週の花
(出張で不在が重なる時期のため、今回も2週間分・
4点をまとめてお届けいたします)
【理事長室】その1
■サンダーソニア
ユリ科 球根植物
原産:南アフリカ
別名:クリスマスベル
《名前の由来》 発見者のサンダーソンの名前から。
《別名の由来》 原産地ではクリスマスの頃に開花す
ることから。
細い茎にランプを灯したようなオレンジ色の花を付け
る。花は下向きで風鈴のような花姿。
■オクラレルカ
アヤメ科 多年草
原産:トルコ
アイリスの一種で紫色の花が咲くが、葉だけが流
通。剣のように先のとがった長い葉が特徴。シャープ
なラインで勢いのあるグリーンで生け花等に重宝され
る。
【秘書室】その1
■エピデンドラム
ラン科 非耐寒性常緑多年草
原産:中南米
《名前の由来》ギリシャ語のepi(上に)とdendron
(木)から。本属が一般的に着生ランであることによ
る。
小さな花が集まって、半円形の一つの花のように咲
く。肉厚で多肉植物のような葉を一列に互生してつけ
る。切花でも次々と咲くので長く楽しめる。
■彼岸桜
バラ科 落葉高木
別名:小彼岸、小彼岸桜
《名前の由来》 春のお彼岸の頃に開花することか
ら。
他の桜に先がけて開花する品種。一般的な桜の開
花予測はソメイヨシノが基準となっている。
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana_img/29_zoom1.jpg
(無断転載等はご遠慮ください)
4点をまとめてお届けいたします)
【理事長室】その1
■サンダーソニア
ユリ科 球根植物
原産:南アフリカ
別名:クリスマスベル
《名前の由来》 発見者のサンダーソンの名前から。
《別名の由来》 原産地ではクリスマスの頃に開花す
ることから。
細い茎にランプを灯したようなオレンジ色の花を付け
る。花は下向きで風鈴のような花姿。
■オクラレルカ
アヤメ科 多年草
原産:トルコ
アイリスの一種で紫色の花が咲くが、葉だけが流
通。剣のように先のとがった長い葉が特徴。シャープ
なラインで勢いのあるグリーンで生け花等に重宝され
る。
【秘書室】その1
■エピデンドラム
ラン科 非耐寒性常緑多年草
原産:中南米
《名前の由来》ギリシャ語のepi(上に)とdendron
(木)から。本属が一般的に着生ランであることによ
る。
小さな花が集まって、半円形の一つの花のように咲
く。肉厚で多肉植物のような葉を一列に互生してつけ
る。切花でも次々と咲くので長く楽しめる。
■彼岸桜
バラ科 落葉高木
別名:小彼岸、小彼岸桜
《名前の由来》 春のお彼岸の頃に開花することか
ら。
他の桜に先がけて開花する品種。一般的な桜の開
花予測はソメイヨシノが基準となっている。
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana_img/29_zoom1.jpg
(無断転載等はご遠慮ください)
【理事長室】その2
■花蘇芳(ハナズオウ)
マメ科 落葉低木
原産:中国
《名前の由来》 花色がスオウからとれる赤色の染料(蘇芳色)に
似ていることから。
江戸時代に渡来。花は蝶のような形でハート型の葉が出る前に枝
にびっしりと花を付ける。枝から直接花が咲く姿と濃い花色が華や
かで目を引く花木。他に白い花を咲かせる白花花蘇芳、葉が赤暗
色のアメリカ花蘇芳など。
■カーネーション(ムーンダスト)
ナデシコ科 多年草
原産:南ヨーロッパ・西アジア
江戸時代にオランダから渡来。日本でカーネーションの生産がはじ
まって今年で100周年。スタンダードな花色から絞りや覆色の個性
的なものなで品種が豊富。ムーンダストは2004年度グッドデザイ
ン金賞を受賞。今回使用したのはムーンダスト4色の中で一番濃い
紫のベルベットブルー。
【秘書室】その2
■ヒマワリ(サンリッチオレンジ)
キク科
原産:北アメリカ
17世紀中頃に渡来。
夏の季語にもなっている夏の代表的な花。品種改良がすすみ花
色、大きさともに豊富。サンリッチシリーズは花粉が出ない品種。他
にサンリッチレモン、パイン、フレッシュオレンジなどあり。
■スカシユリ(セラダ)
ユリ科 球根植物
別名:アジアンティックハイブリット
《名前の由来》 花弁の先端が広く、付け根部分が細くなり透けるこ
とから。
花の大きさは小さく上向きに咲く。大輪系のユリに比べ匂いもほと
んどない。
■オクラレルカ
(理事長室・その1をご参照ください)
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana_img/29_zoom2.jpg
(無断転載等はご遠慮ください)
■花蘇芳(ハナズオウ)
マメ科 落葉低木
原産:中国
《名前の由来》 花色がスオウからとれる赤色の染料(蘇芳色)に
似ていることから。
江戸時代に渡来。花は蝶のような形でハート型の葉が出る前に枝
にびっしりと花を付ける。枝から直接花が咲く姿と濃い花色が華や
かで目を引く花木。他に白い花を咲かせる白花花蘇芳、葉が赤暗
色のアメリカ花蘇芳など。
■カーネーション(ムーンダスト)
ナデシコ科 多年草
原産:南ヨーロッパ・西アジア
江戸時代にオランダから渡来。日本でカーネーションの生産がはじ
まって今年で100周年。スタンダードな花色から絞りや覆色の個性
的なものなで品種が豊富。ムーンダストは2004年度グッドデザイ
ン金賞を受賞。今回使用したのはムーンダスト4色の中で一番濃い
紫のベルベットブルー。
【秘書室】その2
■ヒマワリ(サンリッチオレンジ)
キク科
原産:北アメリカ
17世紀中頃に渡来。
夏の季語にもなっている夏の代表的な花。品種改良がすすみ花
色、大きさともに豊富。サンリッチシリーズは花粉が出ない品種。他
にサンリッチレモン、パイン、フレッシュオレンジなどあり。
■スカシユリ(セラダ)
ユリ科 球根植物
別名:アジアンティックハイブリット
《名前の由来》 花弁の先端が広く、付け根部分が細くなり透けるこ
とから。
花の大きさは小さく上向きに咲く。大輪系のユリに比べ匂いもほと
んどない。
■オクラレルカ
(理事長室・その1をご参照ください)
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana_img/29_zoom2.jpg
(無断転載等はご遠慮ください)