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理事長室からの花だより

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理事長室からの花だより

2009.10.02

vol.48  − 神無月 −

庭の金木犀がようやく咲き、桜やナナカマドも色づき始めました。
道を歩いているとあちこちから金木犀の香りが届き、秋桜と共に“秋探し”を実感させてくれます。

鉄路の車窓からの眺めは、真に実りの秋です。
田圃(たんぼ)の色は黄金色から黄緑に染まっています。稲刈り作業中の田、野焼きの煙が上がっているところと様々で、そこに落ち穂拾いの様に鳥が群がっています。今は少なくなりましたが、稲掛け(いねかけ、いなかけ)や藁ぼっちも見られます。稲の天日干しの仕方が様々なのにも驚きます。
「農繁休業」といって学校が休みになった子供時代、その頃にみた風景と同じであることに、安心感が心に広がります。畦道(あぜみち)には彼岸花(曼珠沙華)も、所々に残っています。子供の頃には「触ってはいけない」と周囲から言われましたが、今は、そのような偏見(?)はなくなったようです。

この連休中に、道路沿いや生垣に小さな鐘形の白い花をつけている低木の名称を知りました。
アベリア、別名:花園衝羽根空木(ハナゾノツクバネウツギ)です。
洪水防止の為に暗渠化して出来た遊歩道に植栽されており、ボランティアの方が小さな名札を付けて下さっていたお蔭です。小さな心配りが多くの人の心を優しくしてくれます。
この遊歩道に芙蓉(フヨウ)の木を見付けました。何時見ても堅牢な美を感じます。我が国で人気のある花木と少し違うのは、その整いすぎた形態だからでしょうか。私自身は、この花の勁い立ち居に元気をもらいました。

「頼まれなくても手をさし延べてくれる友が真の友」を実感しています。
「失ったものでしか語れないことがある」は世の中ですが、失ったものを取り戻すには、私のような年寄りには時が短すぎます。
もっとも、先が短いのは悪いことばかりではありません。長く悩まなくて良いという側面もあるからです。そんな私に出来るのは、唯一、「愚直なる継続」です。

季節は、上布など単衣の着物から、袷(あわせ)の季節になってしまいました。
そして今月は洋服も衣更えです。文字通り、襟を正して心身に緊張を漲らせた頼もしいスタッフ達の姿が戻ってきます。

私の執務室の今週の花は秋桜(コスモス)!
気持ちを勁く持って頑張れそうです。


(福島県立医科大学理事長 菊地臣一)

今週の花


【理事長室】
■コスモス(ベルサイユ)
キク科/原産:メキシコ/和名「秋桜」/江戸
末期に渡来し明治末には全国に普及、各地で
栽培される。
秋の代表的な花。ベルサイユシリーズ(他に
白、赤、ピンクあり)はコスモスの中でも大型
種。大輪で茎も真っ直ぐで強い。
■ドウダンツツジ
ツツジ科
原産:日本
4〜5月頃にスズランのような白い小さな花が
咲く。
秋の紅葉も綺麗で、新緑〜花期〜紅葉と年間
を通して楽しめる樹。
ドウダンの漢名は「満天星」で、花が咲く姿を
満天の星に見立てて。
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana_img/481.jpg
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【秘書室】
■ダリア(熱唱)
キク科/原産:メキシコ/和名「天竺牡丹」/一輪で存在感があ
るダイナミックな花。多彩な色と花形で、世界に3万種あり。「熱
唱」は燃えるような赤が印象的な大輪咲き。江戸末期に渡来。メ
キシコの国花。
■ホトトギス
ユリ科/原産:日本、東アジア〜インド/《名前の由来》花びらの
斑点模様が鳥のホトトギスに似ていることから。山野草として人
気があり約20種、うち10種が日本原産。趣があり渋い花で茶花
でも人気がある。
■赤ドラセナ
リュウゼツラン科/原産:熱帯アジア、熱帯アフリカ/丈夫で日
持ちするグリーン。今回はダリアに合わせ、赤色のドラセナを使
用。
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana_img/482.jpg
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